訴えによりますと、北アフリカ出身の30代の男性は同性愛者であることを理由に自宅で監禁状態にされて家族から暴行を受け、現地の警察に相談をしても逮捕を示唆されるなどの迫害を受けたとして、5年前、日本に逃れてきました。

日本に入国後、難民申請をしましたが、2021年2月に不認定の処分が出たことなどから国に対して難民認定を求める訴えを起こしていました。

4日の判決で、大阪地方裁判所の徳地淳裁判長は「男性の母国では、同性愛者は社会的な嫌悪の対象となっていて、警察官などを含む第三者からの暴力などの危険にさらされている」などと指摘しました。

そのうえで「母国に帰国した場合、家族から危害を加えられる現実的なおそれがある。同性愛者を処罰する規定もあり国からも保護を受けることができないと認められる」として男性を難民に当たると判断し、国に対して、不認定の処分の取り消しを命じました。

原告の男性「とてもうれしい」

判決を受けて、原告の北アフリカ出身の30代の男性は弁護士などと会見を開きました。

男性は通訳を介して「日本に入国してからもつらい生活でしたが、きょうはとてもうれしいです。ありがとうございます。これからはほかの人と同じように仕事をして日本で生きていきたい」と話していました。

松本亜土弁護士は「今回の判決をもとに国は難民認定のあり方などをもう一度振り返ってほしい」と話していました。

出入国在留管理庁「判決内容を精査し適切に対応」

判決を受けて出入国在留管理庁は「判決内容を精査して適切に対応したい」とコメントしています。

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