経済成長の見通しに応じた年金水準の変化

 厚生労働省は3日、公的年金の健全性を5年に1度点検する財政検証の結果を公表した。経済成長が標準的なケースで見ると、現役世代の平均収入と比べた年金額の水準は約30年後に50・4%となり、現在より2割低下する見通し。その後は下げ止まる。政府が掲げる「現役収入の半分以上」の水準は維持されるとしている。国民年金保険料の納付期間を現在の「60歳になるまでの40年」から「65歳までの45年」へ延長する案は優先度が低いとして見送る。  女性や高齢者の労働参加が進み、保険料収入が増えることで年金水準は前回の検証結果より少し改善。社会保障審議会の部会で結果を報告し、パートら短時間労働者の厚生年金への加入拡大など制度改正の議論を本格化させる。来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。  現行制度では、財政状況が安定するまで給付を自動的に抑制する仕組み「マクロ経済スライド」が導入されている。これを前提に今回の財政検証では、実質経済成長率を4パターンで想定し、モデル世帯の年金水準がどのように低下するかを試算した。


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