「紀州のドン・ファン」と呼ばれ、2018年に死亡した和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)のものとされる手書きの「遺言書」が無効かどうかが争われた訴訟で、親族側は、「全財産を市に寄付する」とした遺言書が有効と認めた和歌山地裁判決を不服として大阪高裁に控訴した。控訴は2日付。

 野崎さんは生前、金融業などを展開。相続財産管理人の調査で、遺産は約15億円あった。

 遺言書は、A4判の紙に、赤色のサインペンで書かれていた。《いごん》《個人の全財産を田辺市にキフする》などと書かれ、2013年の日付と署名のほか実印が押されていた。

 一審・和歌山地裁判決は、市が提出した筆跡鑑定書の結果をもとに、「(野崎さんの)筆跡とみて相違ない」と判断。野崎さんが好んでいた赤色のサインペンで書かれたことは、本人の自筆であることを裏付けるとも指摘し、遺言書が、遺言としての要件を満たしていると結論づけた。

野崎幸助さんが書いたとされる「遺言書」のコピー=裁判資料から(画像の一部を加工しています)

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