大阪湾の淀川河口付近で死んだクジラの処理費が大阪市の試算の倍以上になった問題で、市民団体「見張り番」が契約に携わった市職員と委託業者に8019万円を賠償させるよう横山英幸市長に求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が2日、大阪地裁であった。市側は請求棄却を求めた。

 原告側は団体の一柿(いちがき)喜美(きみ)・共同代表(76)が意見陳述し、「市民の税金を使うのだから、安くて、いい方法はないかと判断できなかったのか。なぜ海に沈めるだけの選択だったのか。わからないことだらけです」と問いかけた。

 昨年1月に見つかり、「淀ちゃん」と呼ばれたマッコウクジラの死体は、市内の海運業者が市大阪港湾局の依頼で沖合に沈めた。市は費用を3774万円としたが、価格交渉の末、8019万円で随意契約に至った。

 訴状で原告側は、当時の市経営改革課長が局長らに費用の引き上げをメールで求め、積算根拠は後から検討するよう進言したと指摘。契約は違法で無効と主張している。(大滝哲彰)

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