愛媛県今治市消防本部の30代の男性職員が深夜に上司の部屋に忍び込み、人事異動案を盗み撮りして同僚に拡散させたとして、同本部はこの職員を停職2カ月の懲戒処分にしたことを明らかにした。「発表前の異動情報が流れている」という内部通報で発覚した。

 同本部によると、職員は2月上旬の深夜、無施錠だった上司の部屋に無断で入り、机の引き出しに入れていた作成中の人事異動案の書類を携帯電話で撮影。この写真データを複数の同僚に流したという。男性職員はこの日の朝から翌日朝までの勤務中だった。

 また、入手した人事異動案を勤務中にホワイトボードに書いて上司や同僚に広めたとして、別の30代の男性職員を減給10分の1(3カ月)にした。入手したデータを同僚にLINEで送ったとして、20代の男性職員も減給10分の1(1カ月)。処分はいずれも6月26日付。

 最初に人事異動案を撮影した男性職員はすでにデータを消去し、「何人に送ったかは記憶が定かではない」という趣旨の話をしているという。このため、同消防本部は情報拡散の規模を確定できていないといい、調査を続けている。

 3人の上司にあたるいずれも50代の職員5人に監督責任を問い、3人を文書訓告に、2人を厳重注意処分にした。人事異動は4月に実施されたが、拡散された人事異動案は作成中だったため、流出した情報と同一ではないとしている。

公然わいせつ容疑で逮捕の男にも処分

 これとは別に、同消防本部の職員の男(33)が自家用車内で陰部を出したとして公然わいせつ容疑で5月に逮捕された。この男を停職3カ月、上司の2人を厳重注意処分にした。

 同消防本部の山本秀明消防長は「市民の信頼を著しく失墜させ、深くおわび申し上げます。信頼回復に覚悟をもって全力で取り組みます」というコメントを出した。(堀江泰史)

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