能登半島地震は1日で発生から半年を迎える。全半壊の建物を自治体が取り壊す公費解体は進んでおらず、道路の通行止めや断水も解消されていない。避難所から仮設住宅に移る被災者は増えており、生活の再建に向けて第一歩を踏み出している。
石川県によると、6月27日時点で、死者は281人(うち災害関連死52人)になり、平成以降の地震災害で、東日本大震災、阪神・淡路大震災に次いで、3番目に多くなった。さらに18人が関連死として認定される見通しに加え、少なくとも133人の遺族が審査を求めており、犠牲者数は今後も増える。負傷者は1207人で、依然3人が行方不明のままだ。
住宅被害は、全壊8053棟、半壊1万6746棟に達した。公費解体は、約2万900棟の申請のうち、完了は4%にとどまっており、街の姿は被災直後から大きく変わっていない状態が続く。
仮設住宅は、9市町で必要戸数の約7割にあたる4943戸が完成し、3951世帯が入居。自治体が民間の賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設」には、金沢市など県南部を中心に北陸3県と新潟県で、計約3800世帯が入居している。市町では復興計画を作るため、行政と住民の意見交換会が開かれており、復興に向けた準備が始まっている。
ただ、特に被害が大きかった輪島や珠洲など6市町では、1~5月の転出者数が計4193人と、元日時点の人口約12万人の3%にあたり、スピード感のある復旧・復興が求められている。
被害は石川県外にも及んでおり、総務省消防庁によると、6月25日時点で、新潟県で負傷者は50人、住宅被害は全壊106棟、半壊3766棟、富山県で負傷者は51人、住宅被害は全壊249棟、半壊772棟にのぼった。(千種辰弥)
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