大阪府河内長野市長選が30日告示され、無所属新顔で前自民党府議の西野修平氏が無投票で初当選した。地域政党・大阪維新の会は、吉村洋文代表(大阪府知事)の出身地でもある同市長選での公認候補の擁立を模索したが、適任の候補が見つからず、事実上の「不戦敗」となった。

 今回の市長選では、2期目の現職・島田智明市長が次期衆院選に自民党から立候補する意向を表明。新顔同士の選挙戦が予想される中、維新は公募を実施し、公認候補を擁立すべく調整。関係者によると、吉村氏は「絶対に候補者を擁立すべきだ」と同市長選に強い意欲を示していたという。

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 だが、西野氏は昨年の府議選河内長野市選挙区(定数1)で維新の公認候補を破っており、「河内長野で西野氏に勝てる候補はそう簡単に見つからない」(維新関係者)との声も出ていた。

 府内の首長選挙では、4月に国政政党・日本維新の会の藤田文武幹事長(衆院大阪12区)のおひざ元でもある大東市長選で維新候補が敗れたばかり。「負けた場合の影響も考えるべきだ」(大阪維新幹部)との意見もあり、擁立を断念したという。

 大阪維新の横山英幸幹事長(大阪市長)は20日の会見で、「擁立できなかったのは、非常に大きな責任で、私自身非常に申し訳ない」と説明。その上で、「大阪維新の会の流れに何か陰りがあるという話ではない。ただかといって、人気絶頂でイケイケどんどんっていう感覚もない。非常に厳しいと思っている」と述べた。

 吉村氏は21日、記者団に「できれば擁立したかったが、適任がいない以上やむを得ない」と語った。(野平悠一、前田智)

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