昭和19年6月30日、国は戦争の被害から子どもたちを守るために、都市部に住む今の小学3年生から6年生にあたる児童を地方に疎開させる「学童疎開促進要綱」を閣議決定しました。

それから80年となる30日、学童疎開に関する資料の収集や証言活動などを行ってきた「学童疎開資料センター」が都内で集会を開き、2人の体験者が自身の経験を語りました。

このうち8歳の時に都内から現在の富山県南砺市に疎開した伊木紀昭さん(87)は、空腹に悩まされて疎開先の寺で夜中にみそを盗み食いしたり、虫を捕まえて食べたりなどした疎開生活を振り返り、「ずっとひもじくて苦しかったという思い出が一番強く残っている」と語りました。

集会に参加した小学4年生の女の子は「学童疎開についてあまり知らなかったので、虫などを食べて生活していた話は驚きで、自分でももっと学びたいと思いました」と話していました。

「学童疎開資料センター」の小嶋雄二 事務局長は「学童疎開のように子どもが戦争に翻弄されることが繰り返されないよう、次の世代に語り継ぐために資料や証言記録などを残していくことが必要で、経験者の声を聞ける機会を大事にして広めていきたい」と話していました。

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