梁石日さん=共同

「血と骨」などの小説で在日文学に新たな地平を切り開いた作家の梁石日(ヤン・ソギル、本名=梁正雄=ヤン・ジョンウ)さんが6月29日午前、東京都の病院で死去した。87歳。葬儀は親族で行う。

在日朝鮮人2世として生まれ、1990年代に韓国籍に。経営する印刷会社が破産し、20代で多額の借金を背負った。30代前半から約10年間、タクシー運転手として働き、その経験を基に書いた小説「タクシー狂躁曲」が、崔洋一監督によって映画「月はどっちに出ている」となり、ヒットした。

父をモデルに、暴力と不信、孤独に支配され、欲望のままに生きる主人公を描いた「血と骨」はベストセラーとなり、山本周五郎賞も受賞。崔監督、ビートたけしさん主演で映画化された同作は、数々の映画賞を受けた。

〔共同〕

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