負傷者が相次いで営業を終了した「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市)の宙返りコースター「ド・ドドンパ」について、国土交通相の諮問機関「社会資本整備審議会」が28日、事故原因の一つとして、負傷者が案内された安全姿勢を保持していなかったことを指摘する報告書をまとめた。

 国交省は、ジェットコースターの乗客に安全姿勢の保持を呼びかけるよう全国の遊園地に周知する方針だ。

 報告書によると、ド・ドドンパの安全姿勢は看板や放送で案内されていたと指摘。頭をヘッドレストにつけ正面を向き、下を向かないなどの内容だった。だが、負傷者は案内通りの姿勢を保持していなかったと指摘。姿勢を保持していれば、首に力が入り、動きを予測して身構えることは可能だったとした。その上で、安全な姿勢を保持し、コースターの動きを予測して身構えることの注意喚起の徹底について、国交省が遊園地に周知するよう求めた。

 原因については、機体の揺れと頭の揺れが共振し、増幅したことも指摘している。

 ド・ドドンパは2017年、前身の「ドドンパ」をリニューアルして誕生した。「世界一の加速力」を売りにしてきたが、20年~21年、頸椎(けいつい)骨折や捻挫で重傷6人、軽傷6人の計12人が負傷。今年3月、負傷リスクを完全に除去することが困難だとして、営業を終了した。(棟形祐水)

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