福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で昨年1月、会社員女性が刺殺された事件で、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われた元交際相手の寺内進被告(32)の裁判員裁判の判決が28日、福岡地裁であった。冨田敦史裁判長は「強固な殺意に基づく残忍な犯行」として懲役20年(求刑懲役30年)を言い渡した。

判決で冨田裁判長は、事件当時、同被告は女性を偶然見かけたと認定し、「待ち伏せていた」とする検察側の主張を退けた。一方で、女性に声を掛けて後を追った行為についてはつきまとい行為と認め、ストーカー規制法違反罪は成立するとした。

その上で、声を掛けた女性から思うような返答が得られず、女性が警察を呼ぼうとしたことから激高し、衝動的に殺害したと指摘。事件は逆恨みが原因で、「短絡的かつ身勝手と言わざるを得ない」と非難した。

公判で同被告側は、殺人については起訴内容を認める一方、ストーカー規制法違反罪は無罪を主張していた。

判決によると、寺内被告は昨年1月16日夕、福岡市博多区の路上で、勤務先から帰宅する川野美樹さん=当時(38)=を偶然見かけ、追い掛けて胸などを刃物で複数回刺して失血死させた。

寺内被告は、2022年8月に博多区の路上で男性を殴って重傷を負わせたとする傷害罪にも問われており、判決では、この傷害事件も含めて量刑が言い渡された。

福岡地裁=福岡市中央区

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