中央防災会議であいさつする岸田首相(右から2人目)=28日午前、首相官邸

 政府の中央防災会議(会長・岸田文雄首相)は28日、国や自治体の災害対応の柱となる防災基本計画を改定した。災害発生時、自動車や自宅で避難生活を送る人に対し、食料や飲料水など物資の提供を自治体に求めた。内閣府の有識者検討会が能登半島地震などを教訓に対応を促していた。

 能登半島地震では、ペットと一緒に車中泊をしたり、要配慮者を抱えて自宅にとどまったりした人への支援が行き届かない例があった。避難所へ物資を取りに行くことに抵抗を感じる人も多く、在宅避難者向けの拠点設置など、避難所以外で暮らす人への支援を強化すべきだと判断した。

 計画はほかに、段ボールベッドや間仕切りを備蓄し、避難所開設当初から設置するよう自治体に要請。応援職員の宿泊場所を確保するため、活用可能な施設やスペースを事前にリスト化しておくことも求めた。計画は法令改正や大規模災害を受けて随時改定している。

 会議では、活火山対策の基本指針を変えることも合意した。大規模噴火に備え、広域避難や降灰対策を検討する必要性を盛り込む。

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