出版大手KADOKAWAの元会長で、贈賄の罪で起訴された角川歴彦被告(80)は27日、都内で記者会見を開き、長期間の勾留をめぐって国に2億2000万円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしたと公表しました。

元会長は東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元理事にスポンサー選定で便宜を受けたことへの謝礼などとして総額6900万円を提供した罪に問われていて、裁判は始まっていませんが無罪を主張しています。

訴状によりますと、元会長は去年4月に保釈されるまでおよそ7か月間東京拘置所に勾留され、その間、弁護士が保釈請求をしても証拠隠滅のおそれがあるなどとして3度にわたって裁判所に退けられました。

不整脈の持病を抱えるなか勾留が続き、意識を失うなど体調が悪化したということです。

元会長は「何度も死の淵にひんしているのに、拘置所、検察、裁判官はその訴えを無視した。無罪を主張すればするほど身体の拘束が続く『人質司法』で人権と尊厳を侵害された」などとして、不当に拘束されないことを保障した憲法に違反するなどと主張しています。

角川元会長は会見で「人質司法の問題について裁判所が正面から受け止めて画期的な判断が出ることを期待したい」と話していました。

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