東京高検検事長だった黒川弘務氏=辞職=の定年を延長した20年1月の閣議決定前に、法務省内で協議した記録などを不開示とした国の決定は違法として、神戸学院大の上脇博之教授が決定の取り消しを求めた訴訟で大阪地裁(徳地淳裁判長)は27日、一部の決定を取り消し文書の開示を認める判決を言い渡した。
訴状などによると、政府は長年「国家公務員法の定年延長制は検察官に適用されない」との見解だったが、20年1月に法務省が検察官にも適用できると解釈変更。当時の菅義偉官房長官に近いとされた黒川氏の同2月だった定年が延長され、野党などから次期検事総長に就かせるための「官邸の意向だ」と批判が出た。
黒川氏は20年5月、記者らとの賭けマージャンが発覚し、訓告処分を受けて辞職。その後賭博罪で罰金20万円の略式命令を受けた。
上脇氏は21年9月、定年延長について協議した文書の開示を請求したが、法務省に文書を作成していないとして不開示とされ、22年1月に提訴。協議文書は「公文書管理法で作成が義務付けられている」と主張した。
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