抵抗できない状態の女性に性的暴行を加えたとして、大阪地検トップの検事正を務めた弁護士の北川健太郎容疑者(64)=京都府=が準強制性交の疑いで逮捕された事件で、北川容疑者が大阪高検の逮捕前の調べに対し、「(女性の)同意があったと思った」という趣旨の供述をしていたことが関係者への取材でわかった。

 大阪地裁は26日、7月5日まで10日間の勾留を決めた。「逃亡や証拠隠滅を疑う相当な理由」があると判断したとみられる。

 北川容疑者は2018年2月~19年11月に検事正を務めた。関係者によると、この間に自身の官舎で同僚の女性と酒を飲み、酔った女性に性的暴行を加えた疑いが持たれている。

 準強制性交罪は飲酒などの影響で抵抗できない相手への性的行為を罰するもの。高検は北川容疑者を同容疑で逮捕したことだけを発表し、容疑の内容は「被害者のプライバシー保護のため」として一切公表していない。

 北川容疑者は1985年に任官し、主に関西地方で勤務した。検察職員の不正を調査する最高検監察指導部長や、全国の事件や特捜部の捜査をチェックする最高検刑事部長を歴任。大阪地検検事正だった19年11月、定年まで3年を残して辞職した。20年に大阪弁護士会に弁護士登録し、複数の企業で社外取締役などを務めていた。

 逮捕を受け、ベルトコンベヤー製造大手のNCホールディングス(東京)は26日、北川容疑者を取締役に再任する案を27日の定時株主総会に出すことを撤回した。北川容疑者は21年11月から取締役を務めていた。同社は「社外役員の逮捕は誠に遺憾で、多大なる心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」としている。

 リーガロイヤルホテルを運営するロイヤルホテル(大阪)では、20年6月から社外監査役を務める。同社は「事実関係を確認した上で、厳正に対処する」との談話を出した。昨年4月から非常勤理事で迎えていた神戸大は「今のところ議論になっておらず、お伝えできる動きはない」としている。

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