1千錠以上の処方薬や市販薬を譲り渡すために持っていたとして、警視庁は無職の山下裕史容疑者(39)=東京都港区東麻布2丁目=を医薬品医療機器法違反(販売目的貯蔵など)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
山下容疑者は東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアに出入りし、集まった少女らに「ヒロ」と呼ばれていた。警視庁は少女らに渡したり、一緒に使ったりするのが目的とみている。トー横では医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)が問題となっている。
せき止め薬、鎮痛薬、抗菌薬も
捜査関係者によると、山下容疑者は2023年7月上旬、他人に譲り渡す目的でせき止め薬など約1100錠を自宅で貯蔵した疑いがある。22年5月~23年3月、トー横周辺に出入りしている16~17歳の男女3人に鎮痛剤や抗菌薬計15点を譲り渡した疑いもある。自宅からは他にも避妊薬や不眠治療薬などが大量に見つかり、警視庁は計約6千錠を押収したという。
山下容疑者は、トー横に出入りしていた当時14歳の少女とわいせつな行為をしたとして、23年7月に警視庁に逮捕された。東京地裁は24年3月、懲役2年6カ月を言い渡した。判決によると、少女は山下容疑者と入ったホテルの客室でせき止め薬を大量に服用していた。(御船紗子)
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