週刊誌「女性自身」の記事で名誉を傷つけられたとして、関西学院大学名誉教授の奥野卓司さん(73)が発行元の光文社に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、神戸地裁であった。河本寿一裁判長は「社会的評価を低下させた」と認め、計165万円を支払うよう命じた。同社は「判決文が届いていないため、回答は控えさせていただきます」としている。

 判決によると、光文社は同誌2023年2月21日号に「秋篠宮家『金銭トラブル』頻発中」「100万円賄賂訴訟が急浮上で、宮内庁内でも『また皇嗣家か』の声―」という記事内で、奥野さんがイベントでの皇族の出席をあっせんし、金銭を受け取った疑惑を掲載。「金銭を求めていれば完全に“アウト”でしょう」などと記した。

 判決は、記事が「疑惑の確からしさを読者に印象付ける内容」であるのに対し、原告の言い分などの記載を欠いているとし、奥野さんの社会的評価を低下させるものだと判断した。

 さらに、週刊文春が元々報じたこの疑惑が事実かどうかについて、「(光文社側は)特に取材していない」とも指摘した。

 判決後、奥野さんは取材に対し「名誉毀損(きそん)が認められたことは満足だが、(報道によって)要職を失ったことなどの被害を受けた。150万払ったら何をしてもいいということは許されるのか」と答えた。(原晟也)

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