日本建築学会北陸支部は25日、能登半島地震で被災した石川県輪島市などを調べた結果、1981年より前の旧耐震基準で建てられたとみられる建物では全壊や半壊が5割を超える一方、2000年に強化された現行の基準に基づくとみられる建物では、全半壊が1割未満だったとの暫定調査結果を明らかにした。
調査チームの村田晶・金沢大助教(地震防災工学)は「強化前の基準で建てられた建物に住んでいる場合は、耐震診断や修繕を考えてほしい。適切な修繕が被害の分かれ目になっている」と述べた。木造住宅では、現行基準の大きな改定は必要ないとの見解も示した。
調査は石川県輪島市と珠洲市、穴水町の9地区、約7千棟が対象。今回は整理を終えた約5700棟の分析結果を公表した。
外観の目視から築年数を判断。旧基準に基づくとみられる「非常に古い」、1981年法改正後の新基準相当とみられる「古い」、2000年以降の現行基準相当とみられる「新しい」に分け、損壊状況を確認した。
非常に古いと判断した建物は4割超が全壊し約1割が半壊、一部損壊まで含めると約9割に被害があった。古いと判断した建物も8割弱に被害が見られた。一方、新しいと判断した建物の被害は約3割にとどまり、全半壊は1割未満だった。
新基準は震度6強から7程度でも倒壊しないことを目指して作られた。現行基準ではさらに、柱と土台を接合する金具の規定などが強化された。〔共同〕
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