官用車を私的に利用したなどとして、名古屋国税局は25日、同局次長級の50代の男性職員を戒告の懲戒処分とし、発表した。職員は不適切な行為を認め、同日付で辞職した。

 関係者によると、この職員は税務署長などを歴任した幹部職員で、昨年7月に名古屋派遣首席国税庁監察官に就任。今月3日付で同局総務部付に異動した。

 職員の非行を取り締まる監察部門のトップが自身の不適切行為で懲戒処分されるのは極めて異例。

 同局によると、職員は今年4月に3回、業務時間中に官用車を私的に利用し、別の職員に運転させて名古屋市内の酒店で日本酒を購入した。同局の調査に対し、職員は「酒は会議後の懇親会用で、安易に官用車を使ってしまった」と話しているという。

 また5月中旬の2泊3日の出張では、2日目で公務を終えたが帰任せず、有給休暇を取った3日目の出張手当や、2泊目の宿泊費など計約1万1千円を不適切に受給した。

 関係者によると、職員は監察業務で使うシステムの使用状況を視察するとして九州に出張し、有給休暇では現地で砂風呂に入ったり、観光地を訪れたりしていたという。

 同局国税広報広聴室の早川徹室長は「税務行政に携わる公務員としてあるまじき行為。深くおわび申し上げる。厳粛に受けとめ、職員の非行の未然防止により一層の徹底を図る」などとコメントした。(高橋俊成)

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