血縁上の親なら性別を変更しても子を認知できる――。21日の最高裁判決を受け、次女の代理人弁護士が大阪市内で記者会見を開き、判決を高く評価した。親と認められた女性は弁護士を通じ、「子どもの権利を考えた上で、今の時代にアップデートされた判決。親子関係が認められたことをうれしく思う」とのコメントを寄せた。

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 次女の代理人を務めた仲岡しゅん弁護士は、「最高裁は子の福祉を考慮し、シンプルに判断してくれた。性的少数者の親を持つ子の権利、性的少数者であっても自分の家族を持つ権利の両方が認められた」と話した。

 訴訟では子を原告とし、子の親で、男性から性別を変えた女性に対し、認知を求める珍しい訴えの形をとった。女性が裁判で訴えを受け入れることで、「この国の司法や行政は、双方が争っていない事案にあえて介入し、分断するのか」という思いを込めたという。

 代理人の松田真紀弁護士は「認知の制度は親のためのものだと思っている人もいるが、扶養義務や相続権、出自を知る権利といった子の権利を守るもの。最高裁は少数者の権利を守るという司法の当然の役割を果たした」と話した。

 6月は性的少数者の権利を祝う「プライド月間」。米国で性的少数者への弾圧に対する抗議活動が起きたことを記念してパレードが開かれるようになった。仲岡弁護士は「6月にLGBTの権利、そしてLGBTを親に持つ子の権利が認められた。運命的で良かった」と喜んだ。(山本逸生)

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