国税庁は21日、全国の国税局が2023年度に検察庁に告発した脱税事件は前年並みの101件で、脱税額は計約89億円と前年より約11億円少なかったと発表した。内訳は、重点的に調査した消費税法違反が27件、無申告事案が16件。高松忠介査察課長は「デジタル化、国際化の進展で脱税の手段が複雑巧妙になっている」と話している。

 発表によると、高級腕時計を輸出したように見せかけたり、訪日外国人向けの免税販売を装ったりして消費税の還付制度を悪用した事例が目立ち、未遂を含む不正還付額は計4億5400万円だった。23年度中に一審判決が言い渡された83の事件はすべて有罪で、9人が実刑判決を受けた。

 脱税で得た金は、現金や預貯金で隠されている例が多かった。暗号資産の購入に約4億円を充てた事例もあった。(花野雄太)

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