横浜女子大学生殺害事件 元交際相手に懲役18年の判決 横浜地裁

横浜市鶴見区の配送業、伊藤龍稀被告（23）は去年6月、マンションの敷地内で元交際相手の大学1年生、冨永紗菜さん（18）を包丁で刺して殺害したとして殺人などの罪に問われました。

21日の判決で、横浜地方裁判所の西野吾一裁判長は、「2年余り交際したのち、別れ話が持ち上がり復縁が困難になったことで悲しみや怒りなどさまざまな感情からやり場のない思いを抱いた。被害者に落ち度はなく、自分の気持ちばかりを優先した短絡的な犯行だ」と指摘しました。

そのうえで、「被害者のかけがえのない命が奪われた結果は極めて重大で、18歳の娘を突如失った両親の精神的苦痛も甚大だ」とする一方、「犯行を認め、謝罪している」などとして、懲役20年の求刑に対し懲役18年を言い渡しました。

判決のあと、被害者の冨永紗菜さんの両親が弁護士を通じてコメントを出しました。

「わたしたちにとっては求刑どおりの20年でも、18年でも納得はできないです。人の命を奪った行為に対する罰としては軽すぎると思うからです。この裁判がということではなく日本の法律が加害者に与える罰について見直す必要があるのではないでしょうか。『どのような罰でも受け入れる』と言っていた被告の言葉が本当ならば、控訴をせず判決を受け入れることになる。それを見届けたいです」としています。