労災保険の遺族補償年金の受給資格について、夫だけに年齢などの制限があるのは法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、妻(当時51)を亡くした東京都内の男性(54)が9日、年金不支給処分の取り消しを求め東京地裁に提訴した。

労働者災害補償保険法は、遺族補償年金の受給者は原則、死亡した労働者の収入で生計を維持していた配偶者や子などと規定。妻以外の受給にはさらに制約があり、夫の場合は労働者の死亡時に55歳以上か障害者であることが要件となっている。

訴状などによると、男性と妻は共働きだったが、妻は2019年6月にくも膜下出血で死亡し、長時間労働などによる労災と認定された。男性は23年に遺族年金を申請したが、八王子労働基準監督署長は当時49歳だった男性には受給資格がないとして不支給とした。

男性側は「仮に死亡したのが夫だった場合、妻は遺族年金を受給できた」と主張。夫のみに年齢制限を設けた同法の規定は差別的取り扱いで違憲、無効などと訴えた。記者会見した男性は「女性の社会進出が増える中、同じ労災であって家族の大変さもある。平等に扱ってほしい」と話した。〔時事〕

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