深刻な人口減に歯止めをかけようと、鳥取県が「カップル倍増プロジェクト推進事業」を進めている。今年3月には、県としては三重、神奈川に次いで全国3番目となるマッチングアプリ会社との連携協定を締結。昔ながらの仲人やインターネット上の仮想空間も活用、多彩な方法に注目が集まる。(共同通信=堀内菜摘)
鳥取は10年間で出生数が20%以上減少する厳しい状況だ。県は子育てや出会い・結婚などを支援する「子育て王国課」を設置。「カップル成立年間500組達成」を知事選の公約に掲げ当選した平井伸治知事を筆頭に、新たな出会いの機会を創出しようと奮闘する。
昨年12月、県は連携先のアプリ会社「オミカレ」の井上翔太最高戦略責任者(29)を講師に招き、鳥取市でセミナーを開いた。
オミカレはアプリや婚活情報サイトを運営、井上さんは「複数のサービスの利用が当たり前になってきている」と説明。参加した30代の女性会社員は「理想とする結果にたどり着かず、自分に合うサービスが分からない」と悩みを打ち明けた。
県はニーズに応えようと、多様な方法で出会いの場を提供する。2015年にマッチング事業「えんトリー」を発足。他の事業と合わせて22年度は362組のカップルが成立、成婚数は40組だった。県担当者は「コンスタントに成果が出ている」と手応えを語る。
1対1のマッチング制度の他にも、昔ながらの仲人制度「縁結びナビゲーター」がある。県内に暮らす約60人の仲人がお見合いをセッティング。利用者の相談に乗り、時には背中を押す。
さらに今年3月からは、「メタバース」による婚活イベントを開始。仮想空間に男女約20人が集い、マッチングすると県内でリアルデートを展開する。子育て王国課の長谷川和宏係長は「コロナ禍でオンラインイベントが身近になった。時代に合った出会いを提供したい」と話した。
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