2020年、逗子市でマンションの敷地にある斜面が崩れ、斜面の下にある歩道を歩いていた18歳の高校生の女子生徒が土砂に巻き込まれて亡くなりました。

遺族がマンションの管理会社と担当社員に賠償を求めて起こした裁判で、1審の横浜地方裁判所は「事故の前日に、マンションの管理人が斜面に複数の亀裂を見つけて管理会社に相談していた。崩落の危険性を認識できたのに、事故の発生を防ぐ対応を怠った」として、会社と社員に、合わせて100万円余りの賠償を命じました。

社員は不服として控訴し、東京高等裁判所で審理が続いていましたが、遺族側の弁護士によりますと、19日に和解が成立したということです。

和解にあたっては、社員が遺憾の意を示して遺族に謝罪をすることなどが盛りこまれたということです。

遺族は、マンションの住民側とも和解が成立しているほか、神奈川県を訴えた裁判では敗訴が確定していて、遺族による訴えは、これですべて終結しました。

弁護士は「遺族は、二度とこのような被害を生んではならないという思いで訴えを起こし、社会に向けて発信してきた。今後は、崖崩れの対策など、行政の対応を注視したい。このような事故が起こるたびに裁判を起こさなければ紛争を解決できないことは問題だ」としています。

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