自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、同法違反(虚偽記入)の罪に問われた二階派(志帥会)の元会計責任者、永井等被告(70)の初公判が19日、東京地裁であった。永井被告は罪状認否で「間違いありません」と起訴内容を認めた。

一連の事件で公判が始まったのは安倍派(清和政策研究会)会計責任者の松本淳一郎被告(76)に続き2人目。起訴内容によると、永井被告は2018〜22年の政治資金収支報告書で、パーティー収入計約2億6000万円などを計上しなかったとされる。

二階派はパーティー券の販売ノルマ超過分を議員側に還流していたが、還流分の収入や支出の一部を収支報告書に記載しない運用が続いていたとみられる。同派内での裏金づくりの実態がどこまで明らかになるかが公判の焦点となる。

二階派会長を務めた二階俊博元幹事長の資金管理団体も還流分を収支報告書に記載していなかった。会計担当の秘書が略式起訴され、罰金100万円、公民権停止3年とした略式命令が確定している。

先行して審理されている松本被告の公判では18日に被告人質問があった。安倍派内では2022年春に一度還流を中断する方針を決めたが、同8月の幹部会合で再開を決めたなどと証言した。

東京地検特捜部は1月、岸田派(宏池会)を含めた3派閥で当時の現職国会議員3人を含む計10人を同罪で起訴・略式起訴した。派閥側では岸田派元会計責任者の有罪が既に確定している。

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