診察せずに診断書を不正交付したとして、医師法違反の罪に問われた医師、大久保愉一被告(46)の初公判が18日、京都地裁であり、弁護側は「不公平で差別的な起訴だ」と公訴棄却を求めた。検察側は罰金50万円を求刑し、即日結審した。判決は7月25日。大久保被告はALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への嘱託殺人罪などで実刑判決を受け、控訴している。

大久保被告は元医師、山本直樹被告(47)=嘱託殺人罪などで実刑判決を受け控訴=に診断書のデータを不正に送ったとされることに関し「間違いないが、山本のためにやった。(起訴が)自分だけというのは納得できない」と述べた。

起訴状によると、2018年10月、山本被告を診察していないのに「就労に問題なし」などと記した診断書のデータを作成し、山本被告にメールで送信したとしている。診断書は山本被告が当時勤務していた病院に交付されたという。

大久保被告は山本被告と共謀して19年11月、京都市でALS患者の女性(当時51)の嘱託を受け胃ろうから薬物を注入、搬送先の病院で死亡させたとして嘱託殺人罪や別の殺人罪に問われ、京都地裁が今年3月、懲役18年の判決を言い渡した。〔共同〕

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