北海道八雲町の国道で食肉会社のトラックが乗客15人を乗せたバスに衝突して5人が死亡、12人が重軽傷を負った事故は18日、発生から1年を迎えた。町では追悼式典が行われ、事故現場で地元の人たちが安全運転を呼びかけた。事故をめぐっては道警が今年3月、食肉会社の運行管理者2人を業務上過失致死傷容疑で書類送検しており、函館地検が捜査を続けている。

 午前11時、事故が起きた国道5号近くの野田生(のだおい)中学校グラウンドで、岩村克詔町長や道警函館方面本部の伊藤奨本部長、小中学生や地域で交通安全に取り組む人たちが黙禱(もくとう)を捧げた。その後、交通事故ゼロを願って、トラックやダンプカー、乗用車が行き交う事故現場で「スピードダウン」などと書かれた旗を振った。

 事故は日曜日だった昨年6月18日正午ごろ発生。日本ハムの子会社・日本クリーンファーム(本社・青森県)のトラックが対向車線にはみ出し、都市間高速バスに正面衝突し、乗客3人と双方の運転手が死亡、乗客12人が重軽傷を負った。バスは札幌駅を出発して函館市へ向かっていた。

 道警はトラックの男性運転手(当時65)が運転中に心筋梗塞(こうそく)を起こして意識を失ったと判断。今年3月、同社の道南生産管理部長と安全運転管理者の2人が事故前日に運転手の体調不良を把握しながら運転を中止させるなどの適切な措置を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。函館地検が2人に事故の予見可能性があったかなどを捜査している。道警はトラックの運転手についても容疑者死亡のまま自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで送検している。(野田一郎)

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