東京新聞は5月末、茨城県の霞ケ浦や牛久沼、千葉県の手賀沼や印旛沼で水底の堆積物を採取。東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムがどのくらいの濃度でたまっているか調べた。8回目の定点調査。(山川剛史)  今回の調査では、福島県南相馬市在住の白髭幸雄さん(73)が協力。表層5センチの採取を中心に、気になる地点では、底から下に30センチほど堆積物を採る柱状採取も実施した。  全般的には濃度は低下傾向にあるものの、非常にゆっくり。1キログラム当たり1000ベクレルを超える高濃度の泥や砂がたまる地点も散見された。5センチごとの層に取り分けた調査では、濃い層の上に少し薄い層がたまっていく状況が見て取れた。霞ケ浦では汚染層は底から30センチほどのようだったが、牛久沼や印旛沼の下流では汚染層が非常に深く、事故前の層までは調べられなかった。
 
 一方、水産庁がまとめた魚類のセシウム検査結果(昨年以降)を見ると、食品基準(1キログラム当たり100ベクレル)を超えるような例はなかった。魚の濃度が高めの手賀沼で採れたコイ(34ベクレル)が最大値だった。牛久沼はウナギしかデータがないが最大でも11ベクレル。霞ケ浦ではアメリカナマズが6~20ベクレル、ワカサギが6~8ベクレル、印旛沼は大半が不検出で、タモロコの6ベクレルが最大だった。 

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