悪質ホストクラブによる売掛金(ツケ払い)の高額請求が問題になる中、東京・歌舞伎町では主要ホストクラブがツケ払いを全廃する自主ルールを設けたが、料金を前払いさせる「前入金(にゅうきん)」でも、高額な借金を負わされるケースが増えている。全国的にはツケ払いがなお主流。被害に遭った女性らを支援する一般社団法人「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連=せいぼれん)」(新宿区)が注意を呼びかけている。

悪質ホストクラブの被害者支援を強化する青母連の玄秀盛代表(右)

 歌舞伎町の主要なホストクラブは、ツケ払いを4月に全廃するとのルールを設定。青母連によると、歌舞伎町ではツケ払いをさせられたとの相談は以前ほどは聞かれなくなった。しかし、「前入金」などの手法で、入店前に多額の借金をさせられるケースは増加。借金が膨らみ、風俗で働かされるなどの問題は依然、深刻だという。  玄秀盛代表は歌舞伎町の現状を懸念する一方で、ツケ払いによる被害が全国に広がっている、とも指摘する。青母連には昨年7月の設立以来、被害者や家族から相談が相次ぐ。5月10日までの相談者のうち、公表可能な173人は58%が関東地方からだが、近畿地方が18%、中部地方が11%。北海道や佐賀県などからも相談が寄せられた。  返済できずにいるツケ払いは、公表可能な75人の総額が約4億5000万円。そのうち、101万~500万円は40%、501万~1000万円が11%、1001万円以上が16%を占め、5000万円以上の人もいた。玄代表は5月の会見で「被害はここ(歌舞伎町)から全国にまん延している」と、訴えた。

◆クラウドファンディングで相談活動の費用を募集

 青母連は、地方に相談先が少ないことから、北海道に支部を開設。今後、さらに支部を増やす方針だ。シェルター設置や、スタッフ増員なども計画する。23日午後11時まで、活動費をインターネットのクラウドファンディング(CF)で募る。目標額は115万円。(中村真暁) 

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