2021年のショパン国際ピアノコンクールで日本人では半世紀ぶりの2位に輝いたピアニストの反田恭平さん(29)が7月4日、広島市中区の上野学園ホールで演奏を披露する。反田さんが共演を望んでいた同世代の指揮者と管弦楽団を、ヨーロッパから招いて実現する。

 指揮を務めるのは、アンドレアス・オッテンザマーさん(35)。オーストリア・ハンガリー系の音楽一家に生まれ、21歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者に就任。近年は指揮者としても活躍している。

 共演するバーゼル室内管弦楽団は、1984年に若手演奏家たちが中心となってスイスで設立された。古典と現代の作品を組み合わせた多彩なプログラムを展開。世界的なソリストとの共演に積極的に取り組んでいる。

 オーストリア・ウィーンを拠点に活動する反田さんは、奈良市のオーケストラを運営する「ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」の社長も務めながら、最近は同国・ザルツブルクでプロのオーケストラのタクトを振り、指揮者としてもデビューした。

 今回の公演では、反田さんがベートーベンの協奏曲の中で一番好きだという「ピアノ協奏曲第4番」をはじめ、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」など計5曲を演奏する。

 反田さんは今回の公演について「オッテンザマーとは、ソリストから指揮者へという共通点があります。指揮者がステージに2人並ぶというのはそうそうない。そこは面白いかなと思います」と話す。

 さらに「バーゼル管弦楽のスイスは、イタリア、ドイツ、フランスなどいろんな国が隣接しているので、様々なカルチャーが交わっている。そこに僕のアジアのテイストをどこまで流せるのか、そこが聴きどころでしょうか。異種格闘技戦みたいな。僕自身、楽しみにしています」と語った。

 午後7時開演。S席1万7千円。A席1万4千円とU30チケット(反田さんと同世代の30歳以下対象)3千円は完売。主催は広島ホームテレビ・テレビ朝日。問い合わせはHOMEイベントセンター(082・221・7116、平日午前10時~午後5時)へ。(編集委員・副島英樹)

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