栃木県那須町で全身を焼かれた夫婦の遺体が見つかった事件で、夫婦の遺体から睡眠薬の成分が検出されたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、殺害のため夫婦が睡眠薬を事前に摂取させられた可能性があるとみて詳しい経緯を調べる。
合同捜査本部は同日、夫婦の長女の内縁の夫で事件を主導したとみられる関根誠端（せいは）被告（32）と夫婦の知人で不動産会社役員の前田亮被告（36）=いずれも死体損壊、死体遺棄罪で起訴=を夫婦への殺人容疑で再逮捕した。
関根、前田両容疑者の再逮捕容疑は4月15日深夜から同16日未明にかけて、東京都品川区にある空き家のガレージで、会社役員の宝島龍太郎さん（55）と妻の幸子さん（56）の頸（けい）部を絞めつけるなどして殺害した疑い。今回で夫婦の死体損壊容疑で逮捕・起訴された6人全員が殺人容疑で立件された。
宝島さん夫婦の遺体は4月16日朝、那須町の河川敷で焼損した状態で見つかった。夫婦は同15日夜に関根、前田両容疑者と行動をともにしていた。何らかの方法で睡眠薬を飲まされて殺害現場となった空き家まで連れていかれたとみられる。同日夜に夫婦がふらつきながら歩く様子が防犯カメラ画像で確認されているという。
関根容疑者は知人で指示役の佐々木光被告（28）に夫婦の殺害と遺体の処理を依頼したとみられる。夫婦が経営する東京・上野の飲食店でマネジャーを務めていたが、夫婦とは店舗展開の方針などを巡って対立していた。合同捜査本部は同容疑者が経営の主導権を握るため殺害を計画したとみている。
捜査関係者によると、前田容疑者は関根容疑者とは十数年来の知人だった。関根容疑者が夫婦の不動産取引を仲介し、前田容疑者が多額の利益を得ていたみられる。前田容疑者は関根容疑者との関係を維持して今後も利益を得るため計画に加担した可能性がある。
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