JR門司港駅(奥)付近に広がる初代門司駅の遺構(手前)=北九州市(市提供)

 九州の鉄道起点として明治期に築かれた北九州市の初代門司駅の遺構を巡り、同市は14日、追加の発掘調査と記録保存を行った後、取り壊す方針を固めた。地元住民や考古学者から、世界遺産級の価値があるとして保存を求める声が相次いだが、複合公共施設の建設を優先した。調査関連経費を盛り込んだ補正予算を同日、市議会が賛成多数で可決していた。

 市は当初、遺構の一部を移築する妥協案で事態収拾を図ろうとしたが、議会複数会派が反発したため、移築自体も断念した。武内和久市長は記者団の取材に「丁寧に発掘調査、記録保存し、速やかに事業を進めていきたい」と述べた。

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