美容師の免許を持たずにカットやパーマなどをする美容業を営んだとして、福岡県警は17日、ベトナム国籍の男2人を美容師法違反(無免許営業の禁止)の疑いで逮捕し、発表した。近年、各地のベトナム人コミュニティーの間で無免許の理美容業が摘発されており、同様の営業実態とみられる。

 逮捕されたのは福岡市博多区堅粕4丁目の自営業グエン・ヒュー・コン容疑者(26)と同区下呉服町の自称アルバイト、グエン・ヴァン・ティン容疑者(30)。博多署の発表によると、昨年9月21日、2人は国の美容師免許がないのに女性客1人に対してカットやパーマなどの美容行為を行った疑いがある。「どのように弁解してよいか分からない」「日本で美容行為をしたことはない」などと、いずれも容疑を否認しているという。

 署によると、2022年8月ごろから、美容業を営んでいたとみられ、客は国内に暮らすベトナム人が中心だったという。SNSで客を集め、男性のカット料金が1500円で、女性のカラーリングは2万円程度だった。署はグエン・ヒュー・コン容疑者が経営者、グエン・ヴァン・ティン容疑者が「美容師」を務めていたとみて捜査を進めている。

 店舗兼住宅として使われていたのは、JR博多駅から徒歩15分の住宅街にある2階建ての建物。17日夕に記者が訪ねると、「HAIR SALON」と書かれた看板がかかり、建物前には2台の洗髪用の機器が置かれていた。自転車とバイクがとめられていたが、記者の呼びかけに中から反応はなかった。

 昨年5月には、埼玉県川口市の雑居ビルで、美容師の免許を持たずに「地下美容室」を営んだとして、ベトナム国籍の男女2人が美容師法違反の疑いで逮捕されていた。(鳥尾祐太)

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