SNSがきっかけの消費者トラブルを巡り、50代以上からの相談が2023年は約4万1000件で前年から1.5倍に増え、全体の半数以上を占めたことが14日、24年版の消費者白書で分かった。SNSの利用世代が広がり、中高年の投資被害などが増えているとして国民生活センターも注意を呼びかけている。

同日閣議決定された白書によると、23年は50代の相談が年代別で最も多く1万8515件だった。全体の23%に当たり、09年以降で最多だった。40代が1万3709件(17%)で続いた。SNSの利用者や利用時間が増えていることを受け、全体の相談件数も前年比3割増の8万404件で過去最多となった。

相談内容は「広告を見てブランドバッグを注文したが偽サイトだった」「外国為替証拠金取引(FX)の投資に誘われ投資グループの助言を受けて高額投資したがお金を引き出せない」など、SNSでの勧誘からトラブルにつながる事例が目立った。国民生活センターも1月、FX関連の投資被害に遭わないよう注意喚起した。

消費者意識基本調査の結果などから推計した消費者被害額は計約8.8兆円。前年を35%上回り過去最高となった。被害金額が1万円以上のケースは脱毛エステなどの「保健サービス」や化粧品を含む「保健衛生品」に関する相談が増え、1件あたりの被害額も上昇しているという。

消費者安全法に基づき、消費者庁に通知があった事故も増加傾向にある。23年は前年比6.5%増の1万6298件だった。そのうち重大事故とされたのは1658件だった。

【関連記事】

  • ・SNS起因の犯罪被害、18歳未満は年1600人
  • ・SNSなりすまし広告、23年度相談9.6倍に 1.7億円被害も

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。