国の雇用調整助成金(雇調金)などをだまし取ったとして、警視庁は住居不定、職業不詳の伊吹治容疑者(54)ら5人を詐欺容疑で逮捕し、12日に発表した。認否は明らかにしていない。

「コロナで休業手当払った」とうその申請か

 捜査2課によると、逮捕容疑は、5人のうち1人が経営する介護サービス会社(東京都杉並区)が新型コロナウイルスの影響で休業し、従業員6人に休業手当を支払ったとするうその内容を東京労働局に申請し、2021年10月ごろに雇調金や緊急雇用安定助成金計約1100万円を詐取。また、他の1人が経営するエステサロン(宇都宮市)について栃木労働局に同様の虚偽申請をし、22年2~3月ごろに約500万円を詐取したというもの。

 伊吹容疑者は不正の指示役で、介護サービス会社が受給した雇調金のうち6割を得ていたという。ほか4人は申請者とリクルーターに役割を分担し、報酬を得ていたという。警視庁は、伊吹容疑者らが関与する不正受給の総額は計約1億円とみて調べている。伊吹容疑者は「東宮摂武」の名前で「結婚プロデューサー」と称して活動していたという。(福冨旅史、三井新)

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