日本心臓移植学会は11日、医療機関側が臓器の受け入れ体制が整っていないことを理由に患者への心臓移植を断念した例が、昨年1年間に16件あったとの調査結果を公表した。手術が一部の施設に集中しているとして、移植できる病院を増やし、連携を強化する必要があるとしている。

同学会は心臓移植手術を手掛ける全国11の医療機関にアンケートを実施。その結果、東京大医学部付属病院(東京都文京区)で15件、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)で1件、心臓の受け入れを断念したケースがあった。

理由として、別の移植手術と重なり、医師や看護師らの人員に余裕がなかったことなどが挙げられた。2施設が移植を見送った心臓は、別の医療機関で患者に移植されたとみられる。手術見送りとなった16人のうち、10人は後に移植を受け、6人は現在も待機中という。

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