フィリピンから成田空港に到着した鹿児嶋孝之容疑者(11日午後)=共同

何者かと共謀してキャッシュカードを盗んだとして、福岡県警は11日、フィリピン入国管理局が3月に拘束していた鹿児嶋孝之容疑者(55)を窃盗の疑いで逮捕した。同日、フィリピンから強制送還された。首都マニラ周辺で活動する暴力団系の日本人集団「JPドラゴン」の構成員で、県警が活動の実態を詳しく調べる。

県警によると、鹿児嶋容疑者は何者かと共謀してカードを盗み取るため、被害者宅に電話し、うそを言った疑いが持たれている。カードは被害者宅を訪れた第三者が受け取ったという。

鹿児嶋容疑者は2022年11月にフィリピンに入国したことが記録されているが、出国期限を過ぎ不法滞在になっていた。JPドラゴンの幹部とみられる男は、「ルフィ」などと名乗り広域強盗事件を指示したとされる男らがフィリピンを拠点に率いた特殊詐欺グループと関係があったとみられる。

11日午後3時45分ごろ、成田空港に姿を見せた鹿児嶋容疑者は上下黒のスエット姿。グレーの帽子を深々とかぶり、水色のマスクを着けていた。約30人の報道陣からカメラを向けられると、顔を隠すようにうつむくそぶりを見せ、複数の捜査員に連れられてゆっくりと歩いていった。〔共同〕

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