患者は“30代以上に多い” 死に至ることも

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は主に「A群溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌に感染し、手足のえ死や多臓器不全などが起こる感染症で30代以上に多いとされ、症状が急激に悪化して死に至ることもあります。

ことしの患者数 昨年同期比2.8倍

国立感染症研究所によりますと、ことしに入ってから今月2日までの国内の患者数は速報値で977人で、去年の同じ時期の2.8倍となりました。

現在の方法で統計を取り始めてから最も多かった去年は1年間の患者数が941人でしたが、ことしはすでにこの患者数を超えていて過去最多を更新しました。

専門家「今までにないことが起きている危機感」

感染症に詳しい東京女子医科大学の菊池賢教授によりますと、劇症型は傷口から菌が入ることで起こることが多いとされるものの、詳しい感染経路が分からないケースもあるということで、転倒などによる打撲をきっかけに症状が急速に進むこともあるということです。

菊池教授は「ここまで患者が増えるのは、今までにないことが起きているという危機感がある。腫れが急速に広がったり、高熱が出たり、意識がもうろうとしてきたりすると、一刻も早く治療しなければいけないので、迷わず救急車を呼んでほしい」と話しています。

武見厚生労働相「感染動向を注視していく」

「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の報告が過去最多となったことについて、武見厚生労働大臣は11日の閣議後会見で「劇症型溶血性レンサ球菌感染症については日本だけでなく、諸外国でも増加傾向にある。引き続き感染動向を注視していく必要性があると思っている。手指衛生やせきエチケット、傷口の清潔な処置、それに基本的な感染防止対策を実施してほしい」と述べました。

感染症データと医療・健康情報

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