大津市の住宅で5月、保護司のレストラン経営、新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、殺人の疑いで再逮捕された飯塚紘平容疑者(35)=強盗罪で保護観察付き有罪確定=に関し、新庄さんが「(容疑者の)仕事が続かない」と周囲に相談していたことが分かった。滋賀県警は、保護司としての就労指導でトラブルがなかったか調べる。県警は10日、容疑者を送検した。

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容疑者が新庄さん宅を訪れた後、よく似た男が数十分以内に立ち去る姿が周辺の防犯カメラに映っていたことや、新庄さん宅から刃物が持ち出された形跡がないことも捜査関係者への取材で判明。容疑者が危害を加えるつもりで刃物を持参し、到着後すぐに襲った可能性がある。

更生保護団体関係者によると、新庄さんは2022年ごろ、NPOの就労支援員に対し「仕事先を紹介してほしい」と相談。支援員は県内の建設会社を紹介したが、容疑者は数カ月で退職した。

容疑者のものとみられるX(旧ツイッター)には「全然保護しない」などと保護観察への不満のような投稿があった。「飯塚紘平」と署名された手記の画像が投稿され、23年12月に「保護って言葉は要注意ワード」と書き込まれていた。大津保護観察所によると、新庄さんは1人で容疑者の更生支援を担当していた。

法務省によると、保護司が対象者だった人物に殺害される事件は1964年に北海道の旭川保護観察所管内で起きて以降確認されていない。同省は全国を対象にトラブルの有無の調査を開始。安全確保策を検討するもようだ。

県警によると、容疑者は、新庄さんが死亡したとみられる5月24日午前から行方が分からなくなった。県警は同28日深夜、大津市内で容疑者を発見し、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。

新庄さんは大津市の自宅で倒れているのが同26日午後に見つかった。刃物で上半身を10カ所以上刺され、死因は出血性ショックだった。県警は6月8日、殺人容疑で容疑者を再逮捕した。〔共同〕

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