横浜市鶴見区のマンション敷地内で昨年6月、住人の大学1年、冨永紗菜さん=当時(18)=を刺殺したとして、殺人罪などに問われた元交際相手の伊藤龍稀(はるき)被告(23)の裁判員裁判の初公判が10日、横浜地裁(西野吾一裁判長)であり、被告は起訴内容を認めた。判決は21日。

◆「必ず刺さないと。未遂で捕まったら…」

 検察側は冒頭陳述で、2人は2021年3月ごろに交際を始め、被告の暴力が原因で別れたり復縁したりを繰り返し、犯行前日に別れを告げられた被告が「包丁で脅せば復縁できるかもしれない。ダメなら殺そうと考えた」と指摘。冨永さん宅に向かう車中で「必ず刺さないと。未遂で捕まったら紗菜がハッピーなだけ」との独り言がドライブレコーダーに残っていたと明らかにした。

横浜地裁

 弁護側は、被告が冨永さんと交際を続けるため、友人との付き合いを控え、転職もしたと言及。別れたことで「人生の全てを失ったと考えた」と主張した。犯行は突発的で、自閉スペクトラム症の影響があったとも指摘した。  起訴状によると、昨年6月29日、冨永さんが紛失した鍵を横領して自宅に侵入し、駐車場近くで首や胸などを包丁で4回刺して殺害したとされる。県警は事件前の計4回、冨永さんや友人らの通報で、被告が絡むけんかや暴力に対応した。 

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