大津市の住宅で5月、保護司のレストラン経営、新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、殺人の疑いで再逮捕された飯塚紘平容疑者(35)=強盗罪で保護観察付き有罪確定=に関し、新庄さんが「(容疑者の)仕事が続かない」と周囲に相談していたことが9日、分かった。滋賀県警は、保護司が更生支援の一環として行う就労指導でトラブルがなかったか調べる。県警は10日、容疑者を送検する。

更生保護団体関係者によると、新庄さんは2022年ごろ、連携しているNPOの就労支援員に対し「仕事先を紹介してほしい」と相談。支援員は県内の建設会社を紹介したが、容疑者は数カ月で退職した。新庄さんは、容疑者の仕事が続かないことを周囲に相談していたという。

各地の保護観察所は、罪を犯した人を雇用する事業者を「協力雇用主」として登録しており、保護司はこうした事業者などと連携し、就労を支援している。

新庄さんは大津市の自宅で倒れているのが5月26日午後に見つかった。刃物で上半身を10カ所以上刺され、死因は出血性ショックだった。県警は、容疑者を銃刀法違反容疑で同28日に現行犯逮捕、殺人容疑で6月8日に再逮捕した。容疑者はコンビニ強盗をしたとして、大津地裁から19年に懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を受けた。〔共同〕

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