大津市の住宅で5月、保護司のレストラン経営、新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、滋賀県警は8日、近所に住む無職の男(35)を殺人の疑いで逮捕した。男は強盗事件を起こして2019年に保護観察付きの有罪判決を受け、新庄さんが更生支援を担当していた。遺体発見後、県警が銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕していた。

新庄さんは06年から保護司として活動し、自宅で男と面談することもあった。保護司は法相が委嘱する民間人ボランティアで、国は安全対策面で対応を迫られる可能性がある。法務省によると、保護司が保護観察対象者だった人物に殺害される事件は1964年に起き、それ以降は確認されていない。

強盗事件の判決文によると、男はコンビニで店員にサバイバルナイフを突き付け現金を奪ったとして、大津地裁から強盗罪で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を受けた。

男は新庄さんの遺体発見2日後の5月28日深夜、大津市の路上でナイフ1本を所持したとして銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。「山歩きのためだった」と供述し、県警が自宅を家宅捜索していた。

新庄さんは26日午後、自宅リビングで倒れているのが見つかった。刃物のような物で上半身を10カ所以上刺されており、死因は出血性ショックだった。24日夜に死亡したとみられる。〔共同〕

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