能登半島地震で被災した石川県北部の酒蔵が県内外の5社と共同醸造した日本酒が完成し、7日、金沢市で披露会が開かれた。今期の製造は絶望視されたが「能登の酒の味を守り、止めない」との思いでクラウドファンディングを実施。4千万円を超える資金を調達して、再開を果たした。
半島北部・奥能登地域の酒蔵全11社は地震で大きな被害を受けた。共同醸造プロジェクトには輪島市、能登町の酒蔵計5社が参加。群馬、石川、福井、広島、長崎の5県の酒蔵を借り、能登から原料となる米やこうじを持ち込んで造った。
今回はオリジナルだけでなく、支援する酒蔵とコラボレーションした酒も完成した。2本セット4400円で、各地で10日から販売される。
能登町の鶴野酒造店は建物が全壊し、蔵元の鶴野晋太郎さんは「もう酒造りはできないと絶望した」と振り返る。支援した福田酒造(長崎県平戸市)の福田竜也社長は「能登と平戸は同じ漁師町。地元の海を思い浮かべながら味わって」と話した。
プロジェクトリーダーを務める吉田酒造店(石川県白山市)の吉田泰之社長は「流通やお金の循環を止めないことが大切だ。少しでも早く再建できることを願っている」と力を込めた。
第2弾では自社醸造を再開した1社を除く4社が北海道、石川、愛知、奈良、長崎の5道県の酒蔵とタッグを組む。プロジェクトは計5回実施する予定。
〔共同〕
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