花束を手に登校する大阪教育大付属池田小の児童(8日午前、大阪府池田市)=共同

児童8人が亡くなった大阪教育大学付属池田小学校(大阪府池田市)事件から8日で23年となった。同日午前、同小学校で営まれた追悼式で犠牲になった児童の名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」で児童代表が8つの鐘を鳴らし、黙とうした。

事件から23年となり、大阪教育大付属池田小で開かれた「祈りと誓いの集い」(8日午前、大阪府池田市)=共同

式は事件発生の午前10時10分すぎに始まった。児童や学校関係者ら約770人が参列。当時6年生の担任だった真田巧校長は「不審者侵入に対する想定ができておらず、迅速な対応ができなかった。多くの方々に悲しく、つらい思いをさせてしまった」と振り返った。

事件を知る学校関係者の世代交代が進んでいることに触れ「懸念するのは事件が風化し、(これまでの)取り組みが形骸化すること」としたうえで「世の中全体として事件を自分事としてとらえ、学校安全の体制を振り返り改善に努めてほしい」と呼びかけた。

児童代表を務めた6年生3人は、事件をきっかけに始まった学校安全の授業でこれまで学んだことを振り返り「自分自身が安全に暮らすということから一歩先に進み、自分たちが受け取った『安全の意識』というバトンを誰かに手渡していくことが使命だと考えています」と語った。

旧正門前には献花台が設置され、早朝から多くの人が花を供えた。

事件は2001年6月8日午前に発生。包丁を持って校舎に侵入した宅間守元死刑囚=04年に執行=が児童らを襲い、8人が死亡、教員2人を含む15人が重軽傷を負った。

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