奈良県三郷(さんごう)町の発注事業の入札情報を業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反の罪に問われた元町長・森宏範被告(64)の初公判が7日、大阪地裁であった。森被告は「地元業者の育成、成長を願って優遇したいという思いがあった」「価格を伝えたことは間違いありません」などと述べ、起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、森被告は2020年10月の町立西部保育園の建て替えに伴う事業の一般競争入札に先立ち、非公表の仮園舎の設計金額を町内の業者に電話やメールで伝えたと指摘。入札の公正を害したと訴えた。結果的に事業を落札したのは別業者だった。
検察側は、被告は選挙応援などを通じてこの業者と関係を深め、約10年前から工事の規模などの情報を教えるようになったとも主張した。
森被告は大阪地検特捜部に同罪で在宅起訴され、昨年12月に引責辞任した。この日の初公判で「町民の皆様に対し、改めて深くおわび申し上げたい」と語った。
ほかに町幹部や業者ら3人が同罪などで在宅起訴されている。(戸田和敬)
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