昨年4月の東京都江東区長選で前区長木村弥生被告(58)を当選させるため、柿沢未途元自民党衆院議員(53)と共謀して区議らに現金を渡したとして公選法違反(買収)の罪に問われた柿沢元議員の元私設秘書後藤周被告(38)の公判が9日、東京地裁であった。現金を受け取った区議2人が証人として出廷し、現金は区長選と同じ日にあった区議選の「陣中見舞い」だとし、買収されていないと強調した。

◆柿沢元議員の元私設秘書が20万円を手に

 2人は当時、自民会派に所属していた米沢和裕区議(64)と星野博区議(76)=共に同法違反(被買収)罪で在宅起訴=。  証人尋問で米沢区議は昨年2月、自らの事務所に後藤被告が来て「陣中見舞いを持ってきました」と言いながら、のし袋に入った20万円を渡されたと証言。木村被告を陰ながら応援したことは認めたが、検察官から現金について「支援依頼と思わなかったか」と問われると「全く思わなかった」と否定した。  星野区議は後藤被告と別の元秘書から「代議士から預かってきました」と言われて20万円を受け取り、元秘書の指示通り「陣中見舞い」とただし書きに書いた領収書を渡したと証言。木村被告を支援するよう依頼はなく、「(柿沢元議員と自民区議の)関係修復のため、陣中見舞いの形で渡されたと思った」と述べた。  柿沢元議員は公選法違反(買収など)の罪で有罪が確定し、木村被告は同罪で在宅起訴されて公判中。(中山岳) 

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