東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角英世知事は6日、東京都内の原子力規制委員会を訪れ、規制委が検討する原発事故時の屋内退避のあり方について、多くの家屋倒壊が起きた能登半島地震の教訓を踏まえるよう求めた。屋内退避できることを前提に抜本的な見直しをしない考えを示す規制委に、くぎを刺した形だ。

◆「能登半島地震では自宅にとどまることが困難だった」

原子力規制庁の片山啓長官(左)に要望書を提出する新潟県の花角英世知事=東京都港区で

 花角知事が、規制委事務方トップの片山啓(ひろむ)・原子力規制庁長官に手渡した要望書は「能登半島地震で家屋の倒壊やライフラインの途絶により自宅にとどまることが困難だった」と強調。屋内退避を指示された住民のうち一定数は避難を始めるのではないかという指摘があるとして、より現実的な検討と対策を求めた。  原子力防災を担当する内閣府には、原発30キロ圏の住民が自宅以外で被ばくを避けられるシェルターの充実などを求めた。

「避難対策が一つ充実をする」と述べた新潟県の花角英世知事

 一方、昨年7月に立地する柏崎市、刈羽村とともに内閣府に要望していた避難路の整備について、花角知事は「国の責任で進めるという回答をいただいた」と報道陣に述べた。再稼働の是非について花角知事は、国費による避難路の整備を判断材料の一つに挙げ、再稼働を進めたい国側が応えた格好だ。ただ、具体的な整備スケジュールなどは示されなかった。(渡辺聖子) 

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