成田空港（千葉県成田市）で4日午前に発生した、貨物機ポーラーエアカーゴ752便が同空港に引き返したトラブル。

  • 成田空港離陸の貨物機にトラブル、燃料を廃棄し緊急着陸　けが人なし

　エンジンに不具合があったとみられるといい、乗員4人にけがはなかった。

　成田空港の展望デッキでは当時、この様子を心配しながら見守っていた人々もいた。

　「ファイア―」。4日午前10時20分ごろ、元航空会社員の男性（26）はアプリで聞いていた無線から、こんな単語が聞こえたという。

　パイロット側と管制官側のやりとりとみられ、「エンジンから火が出た」という趣旨の話をしていたという。

　その数分前、成田空港を離陸する貨物機に異常はなかったといい、「音も光も無く、いつも通り飛んでいった」と振り返る。

　無線ではその後、管制側が、パイロット側に対して上空で旋回することや燃料の投棄を指示。

　男性が、飛行機の飛行ルートをリアルタイムで確認できる民間ウェブサイトを見ると、機体が指示通り、ぐるぐると旋回している様子だったという。

　貨物機は、離陸から約1時間後の同日午前11時26分ごろ緊急着陸した。男性によると、「右のエンジンは止めた状態で下りてきたようだった」という。

　30代の男性会社員は、4日午前11時ごろ、趣味の飛行機撮影のために、展望デッキを訪れた。

　車庫の前に消防車や救急車が多数並んでいた。「何かがおかしい」と思い、インターネットで調べ、貨物機にエンジントラブルが発生していることを知った。

　緊急着陸した貨物機は「スムーズに着陸、走行していた」といい、目視で確認できるような異常は見あたらず、出火している様子もうかがえなかったという。

　大きな被害がなさそうなことから、「とりあえず無事でよかった」と話した。

　千葉県市川市の男性（30）は「ほかの飛行機と同じように、異常なく飛んでいったように見えた」。離陸後もカメラで追い、撮影を続けていたが、爆発音なども聞こえなかったという。（平川仁、寺島笑花）

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