【神奈川】厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードのメンバーを務めた感染症対策の専門家で、元川崎市健康安全研究所長の岡部信彦さん(77)が市内の診療所で診療に当たっている。もともと小児科医で、27年ぶりの現場復帰。「区切りがつけば原点に戻りたいと思っていた。子どもたちが健やかに育つのを後押ししたい」と語る。
岡部さんは研究所長を退いたあと、4月から研究所の参与となり、研究所に出向くのは週1回になった。大学の同級生が川崎市高津区で廣津医院(小児科、内科)を開いていた縁から、同医院で毎週火曜日と金曜日に診療することになった。1997年に東京慈恵会医科大学付属第三病院(東京都狛江市)小児科の助教授から国立感染症研究所感染症情報センターの室長に転じて以来の診療現場だ。
「頭ではわかっていても、いろんなところがさびついている。いまはオン・ザ・ジョブ・トレーニングです」
6月からは市立多摩病院の小児科でも週1回、診療にあたる。
岡部さんは長く国の感染症対策の決定に関わってきて、その決定が地方自治体で実際にどのように運用されているのかを知りたくて2012年に川崎市に来た。今度は感染症対策の最前線の診療現場が今、どうなっているのかを見たいという。
「診療を通じて子どもたちの日常生活を支えながら、未来は今よりもよくなると感じてもらえるようになるのが私の夢」と話している。(稲石俊章)
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